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「復職期限が残り1ヶ月」。それでも体調が悪いときは復職すべき?

# お役立ち

公開日:2021.05.14

 メンタル不調などが原因で休職し、復職までの期限が残り1ヶ月程度となったとき、それでもメンタル不調の症状が改善されていなかったり、体調が安定していないというケースもあるかもしれません。こうした場合に、そのまま復職すべきかどうかで悩むこともあります。

 今回は、復職間近にもかかわらず体調が安定していないときの対処法や、復職すべきか退職すべきかのいずれかを判断する基準についてみていきます。

目次

1.いま、復職すべき?

復職の判断
 「復職まであと一ヶ月、しかし体調が安定していない」といった場合にまず行いたいのは、自身の今の症状を正確に把握することです。

 休職期間中に、

①会社のことを考えると具合が悪くなってしまう。
②生活リズムが著しく安定していない。

といった状態がみられる場合は、復職するにはまだ早い可能性があります。当初の予定通りに復職したとしても、十分なパフォーマンスを発揮することは難しく、むしろ症状が悪化したり再発してしまい再休職に至る可能性が高くなります。

 家庭や生活のこともあるため一概に「復職すべきでない」とまではいえませんが、上記の症状がみられるときは復職を見送ることを考えることも大切です。なお、上述した症状がなくとも、疲れたときや天候の悪いの日にメンタル不調の症状が現れるのであれば、復職後の働き方についてあらためて考える必要があります。場合によっては、休職期間の延長を会社に相談する必要もあります。事前に主治医にも相談し、どのくらいの延長が必要そうかを把握しておくとよいでしょう。

2.会社に相談する内容

会社への相談内容
 自分の体調が把握できたら、復職に備えて会社への相談が必要となります。相談の際には、以下のふたつ内容を伝えるようにしましょう。

 ひとつめは、自身の体調についてです。まずは体調が安定していないことをきちんと伝えましょう。嘘をついたり隠さないことが大切です。なお、「症状が現れるタイミング」や「症状が出たときの対処法」を具体的に伝えることで、会社側も今後の働き方について検討しやすくなります。

 もうひとつは、今後の働き方についての相談です。勤務時間や出社日数の調整など、休職前とは異なる条件・環境で働けるよう調整が必要となります。最初からフルタイムで復職するのではなく、復職直後は勤務日数や労働時間を減らすことで心身の負担を和らげ、安定した復職・就労を目指します。

 復職にあたっては、会社側は復職者が万全であるか否か、万全でなければどの程度まで回復したのかを把握する必要があります。そのため、復職の際には事前に自身の状態や復職後に必要な配慮などをできるだけ詳しく把握し、明確に伝えることが大切です。なお、勤務時間や出社日数の調整に関しては会社の規則や状況によって対応が難しい場合もあります。調整がどうしても難しく、提示された条件・環境での勤務が難しい場合には、退職を視野に入れる必要があるといえます。

3.退職から転職活動までの注意点

転職活動の注意点
 休職中の企業に戻ることが難しくなり退職を考える場合は、どのような点に注意すればよいでしょうか。退職後、転職活動を始めるまでに注意したい主なポイントは以下の3つです。

①焦らない

 1つめは、焦らないことです。今後のキャリアや経歴のことを考え、離職期間が長くならないようにすぐに転職活動をされる方も少なくありません。しかし、そもそも「復職をするにはまだ早い」と考えて退職することになったにもかかわらず、早々に転職活動をしてしまっては良い結果は期待できません。

 転職活動をするときは、しっかりと体調が改善したのを確認してから始めることが大切です。新たな職場への転職は復職と同等ないしそれ以上に、心身に負荷がかかることも考えられます。すなわち、体調が安定しないうちの転職は再休職のリスクを高めます。

 一時的に職から離れてしまうことへの不安はありますが、焦って転職活動を始める前に、自分の体調を安定させることを最優先に考えて進めていくことがポイントです。

②休職原因を分析する

 2つめは、休職原因をしっかりと分析するという点です。休職原因の分析は復職だけでなく、転職時も効果的です。新しく入社する会社でも、前職で体調を崩してしまった要因や環境がないとは言い切れません。場合によっては同じようなシチュエーションが起こり、メンタル不調の症状が現れる可能性もあります。自分が体調不良を引き起こす原因を知り、それに対する有効なセルフケアを身につけてから転職活動に臨むのがポイントです。

②配慮事項を考える

 3つめは、入社後にどのような配慮が必要か事前に考えておくという点です。転職活動前に考えることで、面接時にどういった話をすべきかが明確になります。「休職したことは話したほうがよいか」と考える方も少なくありませんが、その是非は状況によって異なります。

 体調不良における配慮を受ける場合は、しっかり伝えておくことが大切です。休職原因や体調不良の引き金になることを企業側に理解いただくことで、配慮事項が検討されやすくなります。また、自身の体調や状態が伝わっていることで、その後の相談も容易になります。こうした理由から、安心した状態で働きたいという方は、休職したことや自身の体調について詳細をお伝えすることが大きなポイントといえます。なお、転職先に休職の事実を知られたくない場合は、体調が安定し、配慮がなくても問題なく働けるようになるのを待って転職活動をするようにしましょう。

4.まとめ

相談の重要性
 これまでにみてきたように、復職期限が迫っているにもかかわらず、体調が安定していないときの対処法としては「体調を把握する」「会社に伝える」の2つが挙げられます。状況が改善しない場合は、「退職・転職を検討する」という流れで考えていくとよいかもしれません。

 「休職期間をより効果的なものにしたい」とお考えの場合は、復職の支援を専門とするリワーク施設を活用するという選択肢もあります。

 リワーク施設である「ニューロリワーク」では、休職期間を有意義に過ごし、復職後も安定した就労ができるよう脳と身体の健康に良い生活習慣を会得するブレインフィットネスプログラムをはじめ、さまざまなプログラムを実施しています。事業所でのグループワークや個別での取り組みを通じて、限られた期間で復職に必要な準備を整えます。

 事業所の見学やプログラムの見学も可能ですので、ご興味のある方はお気兼ねなくお問い合わせください。

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(写真素材:PIXTA・photoAC)

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