休日や夜間でも相談できるところはある?
うつ病などの精神疾患と診断され、さまざまな症状が原因で仕事や日常生活に支障が出ているという方にとって、相談できる場所は非常に重要です。もっとも、多くの相談機関や窓口は平日の朝から夕方までの間でしか利用できないというのが一般的です。
とはいえ、必ずしも全ての機関や窓口が休日や夜間に相談できないというわけではありません。いくつかの機関や窓口では、フルタイムで働く方でも相談が可能です。
主な窓口として、以下のような施設や機関が挙げられます。
1.就労支援センター
就労支援センターは、区市町村から業務委託を受けて障害者の就労や生活面などの支援をしている事業所です。「精神疾患のことも踏まえて、新しい仕事のことを相談したい」という場合に選択肢として挙げられます。
就労支援センターでは、障害者の一般就労の機会を広げるとともに安心して働き続けられるよう、就労面と生活面を一体的に支援するための「区市町村障害者就労支援事業」および「障害者就業・生活支援センター事業」を行っています。地域によって、生活と就労の両方の支援をする施設と、就労だけの支援をしている施設など特色が異なる場合があります。そのため、詳しく知りたい場合はお住まいの地域の支援センターに確認する必要があります。
多くの就労支援センターは平日の朝~夕方の営業(運営)となりますが、一部の支援センターでは土曜日や平日の19時頃まで対応していることもあるので、フルタイムで働く方でも相談しやすい施設のひとつです。
2.就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、主に身体・知的・精神疾患の方などを対象に就労や復職、再就職に関する相談や支援を行っており、利用者は必要な訓練などを受けることができます。障害者総合支援法が定める障害福祉サービスのひとつで、就職を希望する18歳以上65歳未満の方を対象としています。
こちらも上述した就労支援センターと同様に、事業所によっては土曜日や祝日の昼間に営業をしているところもあります。そのため、「平日は仕事がある」という方でも電話や来所による相談が可能です。
また、就労移行支援事業所と同様に障害福祉サービスのひとつとして提供されているのが、自立訓練事業所での支援です。休職からの復職や、社会参加などの支援を行っています。自立訓練(生活訓練)事業所を活用して復職される方も多く、休職が決まった方が今後にどのような過ごし方をするのかといった点での相談窓口としても活用されることがあります。(休職からの復職・再就職を目指すニューロリワークの資料請求はコチラから)
3.夜間・休日の精神科救急医療相談窓口
「精神疾患について夜間・休日に相談したい」という場合は、かかりつけの医療機関があればそちらに連絡されるというのが一般的です。一方、かかりつけの医療機関が無い場合には、都道府県が設置している精神科救急情報センター等に相談することも可能です。救急情報センターに関しては、厚生労働省のホームページから「夜間休日精神科救急医療機関案内窓口一覧」にて確認することができます。なお、こちらはあくまで精神疾患に関する相談窓口であり、休職や離職、再就職の判断などに関する助言を受けることができるわけではないという点に注意が必要です。
4.障害者専門の転職エージェント
在籍している職場を離れ、新しい職場を探すという目的であれば、障害者専門の転職エージェントも選択肢のひとつです。事業者によって対応可能な時間帯は異なりますが、平日の昼間以外にも柔軟な対応をされているケースもあるようです。
5.都内ハローワーク
住まいや勤務先が都内にある場合は、都内ハローワークも相談窓口のひとつとして挙げられます。一部のハローワークに限られますが、平日であれば19時まで、土曜日であれば10時から17時まで利用できる施設があります。
利用できる主なサービスとしては、
・ハローワークの利用登録
・紹介状の発行
・求職者マイページの開設手続き
などがあります。
「窓口・オンライン職業相談サービス」のみを行っているところもあれば「電話による職業相談サービス」も併せて行っているところもあるので、利用をお考えの際は事前にハローワークに確認するとよいでしょう。なお、ハローワークでは精神疾患そのものに関する悩み相談の場ではなく、求職者向けのサービスであるという点に注意が必要です。「現職を辞めて次の仕事を探したい」という場合に活用できる選択肢です。
(参考:厚生労働省 東京ハローワーク)
休職・離職中の補償や過ごし方を明確にしておくことが大切
うつ病などのメンタル不調・精神疾患が原因で休職や離職、再就職を考える場合は、休業期間中に安心して療養に専念できるよう、各種の補償や制度についても把握しておくことが大切です。「休職・離職中の経済的な補償はどうするのか」「どのようにして復職・再就職を目指すのか」といった不安や懸念も予想されるため、それらを補うための補償や制度をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
精神疾患などが理由による休職・離職中に活用できる可能性がある主な補償や制度としては、以下のものが挙げられます。
・1. 自立支援医療(精神通院医療)
・2. 傷病手当金
・3. 失業保険(雇用保険)
・4. 障害年金
・5. 生活保護
・6. 障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)
・7. 就労移行支援事業所
・8. 自立訓練(生活訓練)事業所
(関連記事:メンタル不調による休職時に活用できる、「知っておいて損はない制度8選」)
精神疾患による休職や離職を考える上では、休職や離職によって生じる負担や不利益を懸念して会社(上司や人事担当者)に相談せず無理に勤務を続けるケースも想定されます。
そうした負担や不利益を解消する(または和らげる)ためにも、上記のような制度や補償を事前に理解しておくことが大切です。
まとめ
医師に精神疾患と診断されても、すぐに会社や上司に相談することが難しいという方も多いかもしれません。また、休職ではなく離職や再就職を考えている方であればなおさらです。
とはいえ、誰にも相談せずに無理を続けることは、いずれ、より大きな負担につながる危険性もあります。そのため、休職や離職・再就職などでお悩みの場合は、相談の機会を設けることが重要です。
「平日は仕事があるので土曜日や平日の17時以降でなければ相談できない」という方も、これまでにみてきたような施設や機関で相談することが可能です。自身の都合に合った窓口を見つけ、ぜひ活用していきましょう。
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