休職者にとって、復職やその後の安定した就労を目指すためには休職期間の過ごし方が重要です。また、一口に「休職期間」といっても初期・中期・後期に大別が可能で、それぞれに適した過ごし方があります。
ここでは、そんな休職期間の初期・中期・後期の過ごし方について、注意点とともにご紹介します。(休職期間に活用できるリワーク施設の資料請求はコチラから)
公開日:2022.08.30 最終更新日:2023.08.14
休職者にとって、復職やその後の安定した就労を目指すためには休職期間の過ごし方が重要です。また、一口に「休職期間」といっても初期・中期・後期に大別が可能で、それぞれに適した過ごし方があります。
ここでは、そんな休職期間の初期・中期・後期の過ごし方について、注意点とともにご紹介します。(休職期間に活用できるリワーク施設の資料請求はコチラから)
休職初期は、心身ともにしっかりと休むことを最優先にする時期です。
この段階では、「心療内科に通院することになった」「メンタル不調になり、会社に行けなくなった」など、これまでと生活が一変することで混乱や動揺してしまったり、「自分はそんなに悪い状態じゃないのに」と現実を上手く受け止められないというケースも少なくありません。
とはいえ、休職に至ったということは、少なくとも医師や会社は「仕事ができる状態ではない」と判断していることを意味しています。そのため、まずはそのことを受け止め、しっかりと休養をとることが大切です。
なお、「休養をとる」といってもそれは必ずしも「一日中、寝て過ごす」という意味ではありません。寝て過ごすことも確かに大切ですが、自分の好きなことなどに取り組むことも同じくらい大切です。こうした理由から、休職期間の初期段階は「心身をケアする期間」と捉えるようにしましょう。
休職期間中は、メンタル不調の影響で「何もやる気が起きない」と感じることもあります。このような場合は、無理をせずに何もしないというのも時間の過ごし方のひとつです。何もしていないと「本当に復職できるのか」と不安を感じることもありますが、休養をとり、心身ともに回復していくと次第に活動しようという意欲が湧いてきます。それまでは、「休養したい」という気持ちは心身から出されるサインだと受け止め、しっかりと休むようにしましょう。
休職初期は、主な活動場所が会社から自宅へと変わるため、人との関わりも少なくなることが多くなります。そのため、困りごとがあっても誰に何を相談すればよいのか分からなくなり、一人で悩み続けるというケースもみられるようになります。また、人との関わりが減ることで、自分の殻にこもってしまいがちです。
同じことを悩み続けてしまったり自分の殻にこもってしまうのは、心身の健康面から望ましいことではありません。心身の健康を考え、主治医や家族、パートナーと会話する機会を多く持って心身の負担を減らしたり、悩みがあれば相談することなどを心掛けることが大切です。
休職初期にしっかりと休養をとると、少しずつ自分の体調を客観視できるようになったり、現状を受け止めて前向きな活動に取り組めるようになります。このような状態になると、休職の中期の段階に進んだといえます。
休職中期では、少しずつ復職に向けた準備に取り掛かっていくことが望ましい過ごし方です。休職期間中は体力が低下することも多いので、まずはウォーキングや筋トレなどの体力づくりなどに取り組むとよいでしょう。また、読書や簡単な作業など、集中を要する活動に取り組むことも大切です。
少しずつ外に出られるようになれば、併せて公共交通機関の利用にまで活動範囲を広げられるようになります。さらに、会社のことを考えても負担にならなくなってきた場合は、休職前の状況と復職後の希望などを整理する時間を確保するようにしましょう。
休職中期では、復職後に週に5日間問題なく勤務できる体力や集中力を備えたり、体調管理の方法などをしっかりと身に付けることが大切です。休職できる期間は限られていることからも、復職後に後悔しない過ごし方をすることが求められます。(【関連記事】「復職者が休職期間中に「やっておけばよかった」と後悔することとは?」)
休職中期は、焦りが出てくることも多い時期です。少しずつ活動ができるようになってきているとはいえ、「疲れやすい」「集中ができない」など休職前の元気だった頃と比べると、まだ体調が回復していないことに不安や焦りを感じることもあります。とはいえ、この時期の焦りは禁物です。焦らず、自分ができることから少しずつ取り組むことを意識することが大切です。
会社のことを考えるのがつらいようであれば、無理に考える必要はありません。いつかつらくなくなる日が訪れるまで、そのときにできることに取り組むようにしましょう。
この時期は「自分ができるようになったこと」に目を向け、ゆっくりと自分と向き合いながら準備する時期に位置づけるのが望ましいといえます。
復職へ向けた準備がある程度完了し、おおよその復職時期が見えてくると、いよいよ休職後期に入ります。休職後期では、復職後を想定した過ごし方が主となります。
休職後期に該当するのは、主に以下の状態に当てはまる方です。
・睡眠リズムや生活習慣が安定している。
・週5日間、問題なく活動できている。
・会社のことを考えても不調にならない、もしくはコントロールできている。
・前日の疲れを引きずることがない。(休養と活動のバランスがとれている)
上記の状態であれば、復職後に問題なく勤務できるとの判断が可能です。
休職後期には、復職のための大きなイベントとなる「復職面談」があります。復職面談では、人事担当者が休職者について復職できる状態か否かや、復職後の働き方について確認することになります。
復職の見通しが立ったら、通勤訓練や試し出社など、実際に会社に行くことを想定した活動に移ります。この段階では、復職後にフルタイムで働くことを想定して日中の活動時間を少しずつ伸ばしていくことも必要となります。
このように、休職後期は休職直後の不調を改善する段階を経て、復職して働くことを想定した活動を行う段階へと切り替わります。(復職を目指すためのリワーク施設の見学をご希望の方はコチラから)
もしも休職後期に、できないことや苦手なことが新たに見つかってしまうと、「復職が見送られるのでは」「休職期間が延びるのでは」と不安になって誰にも相談しなかったり、隠してしまうというケースがあります。しかし、こうした場合にきちんと伝えておかなければ、復職後に上手くいかず、再発・再休職してしまうリスクがあります。また、復職面談の際に人事担当者が不調に気付くことで、復職が遠のくことも考えられます。
復職が近づくことで一時的に不安定になるケースは決して少なくありません。不安なことや上手くいかないことがある場合には、早めに主治医やリワーク施設の支援員、または産業医や会社の方に相談して対処していくことが大切です。
上述してきたように、休職期間は初期・中期・後期と大別することができます。復職を成功させるためには、それぞれの期間に合った過ごし方をする必要があります。
それぞれの時期は、明確に「○ヶ月間」と区切られるものではありません。初期の期間が長くなることもあれば、中期の準備期間が長くなるということもあります。
休職期間は「短かければ短いほど良い」というわけではなく、たとえ休職期間が長くなったとしても、きちんと準備できている状態で復職することが重要です。休職期間中は、そのことを理解し、焦らずに着実に準備を進めていくことが求められています。
復職へ向けた準備を一人で進めることが難しかったり不安を感じる場合は、リワークを利用し、専門のスタッフから必要な支援を受けながら進めていくという選択肢もあります。
たとえば、社会参加や復職を目指す自立訓練(生活訓練)事業所のニューロリワークでは、復職とその後の安定した就労を実現するために、さまざまなプログラムをご用意しています。食事や運動、睡眠、ストレスケア、知的刺激などに関する座学や実践を通じて生活習慣の改善を目指すブレインフィットネスプログラムや、模擬就労・模擬面談の実施など幅広い支援を行っています。
事業所では見学やプログラムの体験も可能ですので、復職のために「生活基盤を整えたい」「自分の状態をより良くしたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。(事業所の見学をご希望の方はコチラから)
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リワーク支援施設「ニューロリワーク」がこの社会でできること』
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