1.休職中の給与について
休職中の給与の取り扱いについては、法律的な規制がなく各企業の裁量に任されています。一般的には、休職中は無給になる場合がほとんどです。ただし、病気休暇の制度がある企業では、その制度を利用することで給与の全額ないし何割かを受け取ることができます。
たとえば、病気休暇制度がある公務員の場合では制度を利用することで最初の90日間は全額支給され、それ以降も1年間は8割の給与が支給されます。公務員以外にも独自に病気休暇制度を設けている企業もあるため、休職を考える際は自社の就業規則などを確認することが大切です。
2.傷病手当金とは
休職期間中のお金について調べる上で、「傷病手当金」という言葉を目にする機会があります。傷病手当金とは、病気やケガなどを理由に会社を休み、会社から十分な給与が支払われていない場合に支給されるお金です。給付金額は、直近1年の平均月給の3分の2(毎月)で、期間は最大1年6ヶ月です。(詳しくは全国健康保険協会のホームページにてご確認ください。)
傷病手当金を受給するにあたっては、以下の条件や注意点があります。
①十分な給与が支払われていないこと
②会社を連続して3日間以上休んでいること
③自営業やフリーランス、パート、アルバイトの方は受給できない可能性があること
④副業やアルバイトをすることで支給が打ち切りになる可能性があること
また、受給の際には以下の点にも注意が必要です。
a.健康保険料、厚生年金、住民税などは後日に支払う必要がある
b.初回の入金まで最大で数ヶ月かかることがある
c.申請は毎月する必要がある
d.再度休職した場合でも期間はリセットされない
細かい注意点も多くありますが、休職中も安心して過ごすためにはしっかりと理解しておくことが大切です。
傷病手当金を申請する場合は、傷病手当金支給申請書に必要事項を記載し、健康保険組合や人事に提出する必要があります。会社の担当者や主治医に記入が求められる事項もあるため、時間に余裕を持って進めることが大切です。
3.治療費の補助について
休職中の支出について多くの方の悩みとなるのが、治療費です。精神疾患の治療には長い期間がかかる場合も少なくありません。
治療費については、「自立支援医療制度」という国の制度を活用することで医療費負担を緩和させることができます。また、休職中に限らず就業中の方や離職中の方でも、通院が長期化しそうな場合は申請することが可能です。
自立支援医療制度を利用すると、医療費の自己負担額が3割の方の場合は1割の負担で医療機関を利用することができます。申請は、お住まいの市区町村で可能です。なお、障害手帳を持っていない場合でも申請・受給することができます。詳しい手続きなどに関しては、市区町村の担当窓口にてご確認ください。(メンタル不調からの復職を目指すためのご相談は、ニューロリワークまで)
4.まとめ
休職を考える際、多くの方の悩みとなるお金の問題。勤め先の企業から給与が支払われなくなる場合でも、傷病手当金や自立支援医療制度を活用することで経済面の負担や不安を和らげることができます。
なお、各種の手当や補助金を受給できる期間には限りがあるため、休職期間は休息や休養の期間に充てる一方、復職に関しての道筋を立てることも大切です。一人で自宅で復職までに必要な取り組みを考えるのが難しい場合には、復職の支援を専門とするリワーク施設を活用するという選択肢もあります。
リワーク施設の「ニューロリワーク」では、復職に必要となる生活習慣の改善や認知行動療法に基づくプログラム、またはビジネススキルやコミュニケーションスキルを身に付けるプログラムなどを実施しています。また、復職面談に向けた模擬面談や想定問答の作成なども行っており、復職に不安のある方でも安心して取り組むことができます。事業所内の見学や、パソコンやスマートフォンを活用したオンライン見学も実施していますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。(ニューロリワークの見学をご希望の方はコチラから)
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